開発・研究紹介

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Research and Development

開発と研究紹介

  アクアポニックスは、自然の循環を科学的に再現し、食糧生産を行う技術です。 耕也ファームでは、「現場で使える研究」「地域に活きる開発」をテーマに、日々アクアポニックスの改良と実証実験を行っています。


 

栽培技術

「植物が育つ、水の理を探る」

 
アクアポニックスでは、魚の排泄物から生まれる養分を植物が吸収して育ちます。
私たちはこの循環を最も効率的に機能させるため、光量・水温・溶存酸素・微生物バランスといった要素を総合的に研究しています。特に、季節変動や品種ごとの成長差に対応する栽培手法を研究しています。
フリルレタスのような葉物野菜やイチゴなどの実物野菜といった多様な作物を対象に、生産量と品質を安定化させる栽培条件を実証データとして蓄積しています。
単なる水耕ではなく、自然の力と科学的管理の調和を目指した「持続可能な栽培技術」を追求しています。


 

養殖技術

「健全な魚の育成環境をつくる」

 
魚が健やかに育つことが、アクアポニックス全体の安定につながります。
耕也ファームでは、ホンモロコを中心に、淡水魚の生育条件・給餌量・酸素供給・水質変化の関係を分析しています。
特に、微生物が関与するアンモニア分解と硝酸生成の過程をデータ化し、
魚と植物の栄養循環が崩れない最適なバランスを探求しています。
また、養殖槽の設計や流速の改善などにより、ストレスの少ない環境を構築。
「魚が健康であるほど、野菜が美味しく育つ」
この原理を科学的に証明し、生態系としてのアクアポニックスを高精度に制御する技術を追求しています。


 

装置開発

「シンプルで強い、現場のための設計」

 
日常の運用・保守を現場で完結できるシンプル構造の循環装置が開発コンセプトです。研究開発では、流量制御・配管設計・濾過槽構造を最適化し、少ないエネルギーで維持できる仕組みを開発しています。また、トラブル時に特殊な技術を持たなくても、管理者が修繕できるシンプルな設計を採用しています。
さらに、水質センサーやデータロガーなどを組み合わせた環境モニタリング技術も実証中。
複雑な機械を使わずに、生態系の理にかなった循環を人の手でコントロールできること、それが耕也ファームが目指す“現場主義の装置開発”です。
 

 
 
 

Development example

開発事例

  ここでは、実際に行っている開発事例をご紹介します。 それぞれの実験は、アクアポニックスの可能性を広げるための実証技術開発として進行中です。

イチゴの栽培

アクアポニックスによる結実の実証

魚が育てるイチゴ。循環がつくる自然の甘さを科学的に再現する。


アクアポニックスによるイチゴ栽培は、植物と魚の養分循環を活かした新しい果実生産モデルです。
耕也ファームでは「よつぼし」など四季成り品種を中心に、魚由来の栄養素と微生物群の作用が果実品質に与える影響を研究しています。
特に、栄養要求の成分がフリルレタスなど葉物野菜と大きく異なるイチゴは、アクアポニックスがそのまま供給する養分では不足してしまいます。これらをどのように補完し、またどのような資材が活用可能であるかを検証しています。
さらに、過剰な環境制御を行わない自然な気候の中での生育と花芽形成、果実肥大についてもデータを蓄積しています。
農薬・化学肥料不使用型高糖度イチゴ栽培としての実用化に向けた研究を継続中です。

 

収穫したよつぼし。想像以上に甘い実ができました。

収穫したよつぼし。想像以上に甘い実ができました。

検証2年目。株数を実用規模に増やし、最適な栽培装置を試作中。

検証2年目。株数を実用規模に増やし、最適な栽培装置を試作中。

試験栽培の株に無事実がなりました。次から次に実が出来てきます。

試験栽培の株に無事実がなりました。次から次に実が出来てきます。

多段式の高設栽培を検証しています。培地は使用せず、完全な水耕栽培システムです。

多段式の高設栽培を検証しています。培地は使用せず、完全な水耕栽培システムです。

下段と上段での日当たりに問題がないか検討中です。生育速度の差をみています。

下段と上段での日当たりに問題がないか検討中です。生育速度の差をみています。

実は、徐々に肥大しつつ赤く熟していきます。

実は、徐々に肥大しつつ赤く熟していきます。

隙間スペースを生かした栽培方法の検討です。

隙間スペースを生かした栽培方法の検討です。

株の育成と水質の相関を確認しています。

株の育成と水質の相関を確認しています。

 
 
 

ホンモロコの種苗生産

希少資源を未来につなぐ

水の中の小さな命を、次の世代へ。ホンモロコ種苗の地域循環モデルを開発。


淡水魚「ホンモロコ」は、琵琶湖原産の高級魚であり、食味の良さから地域ブランド化が進む魚種です。
耕也ファームでは、アクアポニックス内でのホンモロコの種苗生産技術を確立するための研究を行っています。卵から仔魚、稚魚、成魚までの育成過程を通じて、水温・溶存酸素・餌料条件の最適化を実験的に検証。特に、卵から孵化してすぐの仔魚は、人工飼料を食べないため生きたプランクトンを継続的に与える必要があり、この過程が技術的に難易度が高い工程になります。種苗を自家生産することは、養殖業の収益改善に大きく貢献する効果もあるため、安定生産と生産量確保を目標に取り組んでいます。
また、種苗生産を地域の福祉施設や教育機関と連携して行うことで、「地域資源を育て、学びの機会に変える」新しい地域循環モデルの構築を目指しています。

 

ホンモロコの種苗生産

希少資源を未来につなぐ

水の中の小さな命を、次の世代へ。ホンモロコ種苗の地域循環モデルを開発。


淡水魚「ホンモロコ」は、琵琶湖原産の高級魚であり、食味の良さから地域ブランド化が進む魚種です。
耕也ファームでは、アクアポニックス内でのホンモロコの種苗生産技術を確立するための研究を行っています。卵から仔魚、稚魚、成魚までの育成過程を通じて、水温・溶存酸素・餌料条件の最適化を実験的に検証。特に、卵から孵化してすぐの仔魚は、人工飼料を食べないため生きたプランクトンを継続的に与える必要があり、この過程が技術的に難易度が高い工程になります。種苗を自家生産することは、養殖業の収益改善に大きく貢献する効果もあるため、安定生産と生産量確保を目標に取り組んでいます。
また、種苗生産を地域の福祉施設や教育機関と連携して行うことで、「地域資源を育て、学びの機会に変える」新しい地域循環モデルの構築を目指しています。

2年もののホンモロコ。しっかり太く育っています。

2年もののホンモロコ。しっかり太く育っています。

ようやく稚魚と言えるサイズに成長。ここまで育てば育成もひと段落します。

ようやく稚魚と言えるサイズに成長。ここまで育てば育成もひと段落します。

生育と成熟の状況を確認し、個体重量と育成期間の関係もデータ化していきます。

生育と成熟の状況を確認し、個体重量と育成期間の関係もデータ化していきます。

産卵床に産み付けられたホンモロコの卵。直径1ミリほどです。

産卵床に産み付けられたホンモロコの卵。直径1ミリほどです。

冬季の屋外プールで越冬の様子。ホンモロコが一箇所に固まってじっとしています。

冬季の屋外プールで越冬の様子。ホンモロコが一箇所に固まってじっとしています。

孵化後1ヶ月の仔魚。アルテミアなどのプランクトンを食べて大きくなります。

孵化後1ヶ月の仔魚。アルテミアなどのプランクトンを食べて大きくなります。

ほぼ最大サイズに成長したホンモロコ。体長12センチ程度、寿命は2〜3年です。

このサイズの稚魚を安定化つ大量に生産することが目標になります。

このサイズの稚魚を安定化つ大量に生産することが目標になります。

 
 
 

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